注目のプロジェクト管理ツールAsanaの日本上陸イベントに参加してみた

今日4月1日は、新元号「令和」が発表され、エイプリルフールそっちのけで日本中が湧いた一日でしたが、話題のプロジェクト管理ツールAsanaの日本上陸イベントに参加してきましたので、その模様を簡単にレポートしたいと思います。

▲司会の山田寛久さん(Asana Japan Expansion Lead)
「サンフランシスコで働く日本人エンジニアの記事」でお見かけしたことがありましたが司会もお手の物です。

▲まずはAsana Head of Global CommunityのJoshua Zerkelさんのご挨拶。

「仕事を管理するための仕事」を減らすツール、というコンセプトのAsanaは、Facebook社内のタスク管理ツールがルーツになっています。6年前にローンチしてから、全世界195カ国、6万社のユーザーに使われており、日本国内ではNTTデータ、Sonyなど800社で使われているそうです。

利用シーンの例としては、イベント企画の管理や進行管理、マーケティングキャンペーンの管理などがあり、ビジネスサイド側のタスク管理に多く用いられているそうです。

▲ちょっとしたアイスブレイクとして、隣の人に質問して職種を当てるワークショップ。結構盛り上がりました。

メインコンテンツは、Asanaユーザー4社によるパネルディスカッションです。Asanaを用いたプロジェクト管理の、それぞれのチームにおける実践についてお話を聞くことができました。

登壇者(左から)
綿島琴美氏
株式会社 Zaim 執行役員 CCO

佐々木敏明氏
株式会社CAMPFIRE プロダクトマネージャー兼ディレクター

樋口一裕氏
株式会社サイバーエージェント プロダクトマネージャー

山下和彦氏
株式会社LIG Web事業部マネージャー

パネルでは興味深い話題がいくつも出たのですが、以下、鍋島が個人的に印象に残った話題をいくつかピックアップします。

複数のプロジェクトのチェック

LIGでは、複数のWeb制作案件が同時進行で動いており、毎日の朝会で状況をチェックしています。ですが、会議を効率化するためには問題を抱えたプロジェクトを早期に発見し、問題ないプロジェクトのチェックをできるだけ省力化することが必要です。そこでLIGでは、Asanaのポートフォリオやインサイトを使って、複数のプロジェクトの状況を俯瞰してチェックしているそうです。


▲ポートフォリオとインサイト

運用ルール

ZAIMでは、エンジニアはGithubメインで、ビジネスサイドはAsanaでタスク管理を行い、コミュニケーションツールとしてはSlackを利用しているそうです。
しかし、チャットとタスク管理ツールの使い分けが曖昧で、依頼や情報が散らかってしまいがちでした。

そこで、Slackでのやり取りは雑談や緊急性がある内容に限定し、タスクとして固まった話題は必ずAsanaを使うようルール化しました。

また、Asanaにタスクを立てる際は、必ず「動詞を含む」タスク名にすることもルールにしました。そうすることで、担当者が何をもって完了とすればよいのかつまり完了条件が明確になるからだそうです。

ツール導入を説得するには

ツール導入の際は、経営陣にROIを提示したり、現場のメンバーを説得する必要が生じる場合もあります。これらのハードルをどう乗り越えたのでしょうか?

LIGではRedmineからAsanaに移行したそうですが(※Redmineを継続しているチームもあります)、ROIとして、Redmineのサーバー費用や管理に携わるエンジニアの工数の削減を提示したそうです。導入から三ヶ月経った現在は、期日通りにタスクを遂行した割合や、会議時間の削減率など、Asana導入の成果をトラッキングしています。

また現場からはツール移行に際して反発もありました。その多くは、単純に使い方に不慣れなことが原因なので、チームリーダーにエバンジェリスト的な役割を任せ、ツールの使い方を伝えているそうです。

またサイバーエージェント樋口さんのチームでは、ツールの使い方を検討するワーキンググループがあり、Slackのチャンネル名規則などを自分たちで考えているそうです。トップダウンで進める方法から、現場で自ら決める方向に文化が変わってきたそうです。

感想

私自身はBacklogによるタスク管理の専門家(自称)ですが、タスクの命名規則など運用ルールの問題や、チャットとタスク管理ツールの棲み分けは、ツールに関わらず、どの現場でも課題だなと思いました。

またAsanaで良いなと思ったポイントは、ポートフォリオを使うと複数のプロジェクトの状況をひと目で把握しやすいことです。プロジェクトマネージャーは複数の案件を同時に抱えていることが多く、タスクの詳細を一つ一つ確認するのが難しい場合もあります。そのような時に複数のプロジェクトを俯瞰し、進捗や問題点を早期に発見できる機能は、プロジェクトマネージャーからは大変重宝されるのではないでしょうか。この機能はBacklogにもあると良いなと思いました。

最後に、Twitterのタイムラインから印象に残ったツイートをまとめとして引用させて頂きます。
(壇上でどなたが仰っていたかは補足できず…)